主に公文書等の公開されている資料を発掘して絞首刑の実態に迫る手法を採っています。
【これまでに発掘した文書】
・死刑執行始末書等
法務省が一部非開示としている一般刑事犯に対する死刑執行始末書をGHQ資料から発見。
→2012年10月8日付共同通信社配信「絞首執行、平均14分 終戦直後の死刑囚、最大10分ばらつきも、英文公文書で判明」
→2012年10月8日付共同通信社配信"Japanese executions took average of 14 minutes in 1940s, 1950s"
→2013年4月7日付毎日新聞朝刊「死刑の実態 公文書に 執行時間14分/9割罪悔いる」
→『GHQ文書が語る日本の死刑執行――公文書から迫る絞首刑の実態――』(現代人文社、2013)
→「死刑執行始末書56件の紹介――1947年7月~1949年12月――」関西大学法学論集63巻6号(2014)480頁以下
→2014年10月15日共同通信社配信「死刑執行時間、施設間で差 最大5分超、GHQ文書」
→「死刑執行始末書の分析――絞首刑の実態に迫る――」(テーマセッション「 日本における死刑の行方」において報告)日本犯罪社会学会(2014.10)
→「死刑執行始末書の分析――絞首刑の実態に迫る――」川端博ほか編『理論刑法学の探究 第9号』(成文堂、2016)49頁以下 など
GHQが一般刑事犯に対する絞首刑の改善を日本に促す必要があると考えていた文書をGHQ資料から発見。
→2013年11月17日付朝日新聞朝刊「日本の絞首刑『方法不適切』 GHQ文書『苦痛軽減を』」、「絞首刑実態 GHQのみ情報源 指摘から60年余 開示なお拒む国」
・いわゆるA級戦犯の死刑執行手順書等
いわゆるA級戦犯の死刑執行手順書等の文書をGHQ資料から発見。
→2013年6月7日付共同通信社配信「A級戦犯死刑、指紋で確認 米公文書に『執行手順』 東条元首相ら7人 関係者証言と符合」
→2013年6月7日付共同通信社配信 "Document detailing war criminal execution procedures found"
・いわゆるB級戦犯の死刑執行始末書等
フィリピンにおいてアメリカ軍により執行されたいわゆるB級戦犯の死刑執行始末書等の文書をGHQ資料から発見。
→2015年11月29日付共同通信社配信「BC級戦犯の『最期の言葉』米軍公文書で判明』
→毎日放送「VOICE」(B級戦犯の死刑執行についてインタビュー等)(2015年12月)(7分程度)
・ストラスブール総領事の意見具申
日米の死刑執行停止を求める欧州評議会の決議(2001年)の直後に日本のストラスブール総領事が外務省本省に対して死刑執行停止を働きかけるよう求める意見具申を行っていた文書を外務省に対する情報公開請求により開示された文書から発見。
→「日米の死刑執行停止を求める欧州評議会2001年決議をめぐる外交文書の分析」(自由報告)日本犯罪社会学会(2016)
→「死刑執行停止の検討を求めるストラスブール総領事の意見具申」年報・死刑廃止編集委員会編『年報・死刑廃止2016』(インパクト出版会、2016)40頁以下
→「日本の死刑執行停止を求める欧州評議会2001年決議について――死刑に関する外務省情報公開文書を読み解く――」関西大学法学論集67巻5号(2018)1頁以下 紹介ページ
・旧名古屋刑務所の刑場写真
旧名古屋刑務所を取材して刑場(絞首台)の写真を掲載した名古屋タイムズの記事を発見。また、同記事を執筆した記者が書いたエッセーを発見し、取材時の詳細な事情を確認。
→2017年3月4日付共同通信社配信「70年前に名古屋の刑場取材 地元紙記者、回顧録残す」
→「旧名古屋刑務所の刑場の写真――報道機関に対して昭和22年に公開された絞首台――」法学セミナー747号(2017)6頁以下
・旧名古屋刑務所の建物配置図
旧名古屋刑務所の建物配置図を名古屋市が公開している公文書から発見。当時の刑場の位置を特定。上述の名古屋タイムズの記事の記述が正確であることを確認。
・旧名古屋刑務所の刑場を取材した新聞記事でGHQ/SCAPにより公表禁止とされたもの
旧名古屋刑務所の刑場を取材した読売新聞の記事でGHQ/SCAPにより公表禁止とされたものをプランゲ文庫の検閲新聞ゲラ内から発見。昭和22年から同23年にかけて、刑場の取材を複数社に認めていたことが判明。
→「旧名古屋刑務所の刑場に関する公表禁止とされた新聞記事――プランゲ文庫所収検閲新聞ゲラ――」ノモス42号(2018)53頁以下
・絞罪噐械圖式(明治6年太政官布告第65號)を受けて各県において新築された絞罪器械機械及び上家に関する仕様書及び図面等
絞罪噐械圖式を受けて熊谷県(現在の群馬県の大半と埼玉県の一部) において新築された絞罪器械及び上家の仕様書、図面及び入費に関する内訳帳を発見。絞罪噐械圖式において記されていない各部材の具体的な寸法等が判明。
また、新治県(現在の茨城県の一部と千葉県の一部)において新築された絞罪器械の上家の目論見書及び図面を発見。絞罪噐械圖式において記されていない上家の一例を確認。
さらに、宮城県において斬絞場の四周に新たに設置された板塀の出来形帳及び図面を発見。絞罪噐械圖式において記されていない板塀の一例を確認。
→「絞罪噐械圖式の頒布と絞罪器械の設置実務――明治初期の絞首刑の執行を巡る資料を読み解く――」関西大学法学論集68巻5号(2019)93頁以下 紹介ページ
・絞架全圖等に具体的な寸法が記載された注釈書等
改定律例の注釈書14冊において、絞罪噐械圖式には具体的な寸法が記載されていなかった絞架全圖、蹈板裏面圖、蹈板表面圖、機車圖、機車屬鐵板圖、鉄板架圖、螺旋圖、絞繩鐶圖及び絞繩畧圖にも具体的な寸法が記載されていることを発見。
また、明治12年(1879年)に発行された雑学帳において、絞架全圖にも具体的な寸法が記載されていることを発見。
絞罪噐械圖式布告当時、絞罪噐械圖式に記載されておらず、各種の注釈書に記載されていた具体的な寸法が一般に知られていた可能性を確認。
→「絞罪噐械圖式の頒布と絞罪器械の設置実務――明治初期の絞首刑の執行を巡る資料を読み解く――」関西大学法学論集68巻5号(2019)93頁以下 紹介ページ
・〔Coming Soon〕
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