日本における死刑に関する議論は、死刑存廃論に集中してきたと言ってよいと思われます。
しかし、死刑の実際を踏まえることなしになされる存廃の議論は、結局のところ、個人の価値観をぶつけ合うばかりの「空中戦」をもたらしてきたにすぎません。
このような「空中戦」による戦果は、もはやほとんど期待できないでしょう。
徒に不毛な「空中戦」を継続することなく、死刑に関する具体的な事柄について、地に足の付いた「地上戦」を展開すべき時期に来ていると考えます。
このような観点から、死刑の存廃を論じるのではなく、死刑の実態を解明することに焦点を当てて研究を進めてきました。
これまで、死刑選択基準に関する研究に主に取り組んできましたが、最近、死刑の執行方法に関する研究も深めています。
なお、私自身は、死刑存置派ですが、執行方法として絞首刑が最善であるのかについて疑問を抱いています。
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